川前 金幸             

 2017年11月より日本蘇生学会代表理事を務めます山形大学医学部麻酔科学講座主任教授の川前金幸と申します。

 本学会は、麻酔科学会を主軸として麻酔科医が担う重症患者管理学と蘇生医学の探求を目的として発足しました。心肺蘇生もその一つで、当初は文部科学省主導の心肺蘇生講習会等、社会貢献に尽力し、さらに蘇生科学の研究と教育の進歩発展に寄与してきました。

一方、約20年前、皆様もご存知のようにガイドライン2000という黒船がやってきて日本でもACLS,BLS等の啓発、教育、普及が各団体ごとにさらに強化され、今日に至っております。また、麻酔科学の進歩により、周術期管理の安全性はかなり向上し、蘇生学会はその使命を果たしてきました。

 会を重ね時代は変化し、麻酔科医のみでは蘇生学を語れない現実があります。「蘇生しなくてはいけない麻酔をかけているのですか?」などと皮肉にも聞こえる声が聞こえたことも事実です。現在、世界的に蘇生に関する会議(ILCOR)が存在し、本学会第1回会長の岡田和夫帝京大学名誉教授が日本蘇生協議会の会長を務め、2006年から参画できるようになり、日本から発信するチャンスがさらに増えました。第36回会長の坂本哲也先生、日本蘇生協議会代表理事の野々木宏先生をはじめ、日本からの使節団ともいうべき方々の多大なるご尽力により、進歩発展してきています。その情報の発信は世界から高い評価を受け、日本の蘇生に関わる医療従事者にとって誇りと勇気を与えるものです。

 いまや蘇生学は麻酔科のみならず循環器科、救急科、内科、脳外科、外科等々、多くの診療科にまたがり、また蘇生チームを推進すべく多くの医療従事者の連携が不可欠となっています。このような視点から、蘇生科学の発展とともに蘇生に関わる全ての医療従事者、そして一般市民を加えての情報交換の場が本学会の使命であると考えております。是非、関心興味のある方々に参会していただき最新の情報を共有し、会員の方々の自己実現と社会貢献に寄与したいと考えております。


Copyrihgt(C)2007 JSR.All Rights Reseved